胃カメラ(経鼻内視鏡検査)について
経鼻内視鏡検査
経口内視鏡検査は、内視鏡が舌の付け根に触れることで、多少なりとも咽頭反射が起こり、吐き気をもよおします。
これに対し経鼻内視鏡は、下の比較の写真でもお示ししているように、直径で約半分、面積は1/4近くになります。
そして挿入経路が異なるため、内視鏡が舌のつけ根を通らず、のどにも触れないので、経口内視鏡検査に比べ、検査時の吐き気・不快感が大幅に軽減できることが出来ます。
さらに、検査中に術者と会話ができるので何かあればすぐに要望や異変を医師に伝えることが出来る唯一の検査法です。
一方で、経鼻内視鏡は一般の内視鏡と比較すると画質がやや劣り、行える処置も限られます。
また、患者様の容態(鼻血が出やすかったり、変形していたり、鼻炎で中が狭くなってしまった人など)によっては、鼻からの挿入が難しい場合もあります。
ですから、以前に経口で内視鏡をされ、それほど苦痛を感じなかった方は、あえて経鼻内視鏡にする必要は無いと思われます。
しかし、以前に経口の内視鏡検査が辛かった方や、検査に対して抵抗感・恐怖感をお持ちの方や、内視鏡検査をされたことが無くどうしても不安な方は、一度経鼻内視鏡で検査してみてはいかがでしょうか。がんは早期に発見・治療をすれば治る可能性も高くなります。
より負担の少ない経鼻内視鏡の登場によって、内視鏡検査がさらに 身近なものになることが期待されています。
当日検査
検査の空き状態によっては対応させていただきますが、9:00から9:30までにお電話 03-3741-2258 にてご連絡ください。
経鼻内視鏡と経口内視鏡の太さの比較
経口内視鏡:GIF-PQ260外径7.7mm(写真左の上、右の右)
経鼻内視鏡:GIF-XP260N外径4.9mm(写真左の中、右の中)
経鼻内視鏡と経口内視鏡の経路の比較
上が経鼻内視鏡、下が経口内視鏡の経路です。
赤円で囲まれた付近にカメラが接触すると咽頭反射によりオエっとなりますが、上の経鼻内視鏡の経路はそこにはほとんど接触しないため、オエッとなることがほとんどありません。
経鼻内視鏡検査の流れ
- 検査の前夜の夕食は夜の9時ごろまでに済ませ、いつもより少なめにとってください。
当日の朝は、何も食べないようにします。
当日は少量のお水やお茶であれば飲んで構いませんし、医師が必要と判断したお薬は飲んで来て下さい。 - 検査前に体をしめつけるものはできるだけはずして、リラックスしてください。
上着は脱ぎ、メガネは外して、胃に空気が入るのでベルトはゆるめます。
ボディスーツ、ガードル等の体を締め付ける下着は着用してこないでください。 - まず胃をきれいにする薬を最初に飲みます。
次に検査台に横になっていただき、狭い鼻の中を経鼻内視鏡(カメラ)が通りやすくするために鼻の中を広げるお薬と、痛くないようにする麻酔薬を鼻の中にスプレーします。
胃の蠕動運動をとるお薬を肩に注射する場合があります。 - 初めての方の場合、両鼻の途中までカメラを入れてどちら側が通過しやすいのかを判断します。
そして、通過しやすい鼻の方に再度鼻粘膜の麻酔薬をスプレーします。
なお、2回目以降の方は前回検査した鼻だけにこれらの処置をおこないます。 - さらに鼻からノドにかけての麻酔をするために少量のゼリー状の薬を注入しますので、鼻水をすするように飲みこんでいただきます。
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ノドにも麻酔をしていますが食道の入り口を入るところは人により若干違和感を感じることがあります。
経口内視鏡と違いお話が出来ますので、検査中でも気になることがあればお話しください。
検査時間は10分弱ぐらいで終了します。 - 検査が終わっても、咽喉の麻酔は30分くらい残っていますので、すぐに水分はとらないでください。
肩に注射した方は自動車の運転をしばらく見合わせてください。
また、検査当日は鼻を強くかまないで下さい。
鼻血が出ることがあります。
病理検査
必要な場合は生検鉗子で胃の粘膜の一部を採取します。
それを外部施設で病理専門医に診断します。
同時にピロリ菌の有無も判定してもらい、1週間ほどで結果が郵送されてきます。